夏休みの・・・:モノクロ写真のフィルム現像タンク
学芸コンクールの募集要項をみていたら、フィルム写真も良いの出そうだ、写真作品を制作するのにテクノロジーを使わなくともいいだ
モノクロフィルム現像に使う現像タンクの紹介
夏休みの写真作品づくり
カメラメーカーがデジタル一眼レフ製品を主力にするようになり、イメージセンサーのテクノロジーが一般化してしまいました。 世の中ほとんどのカメラはデジタルで、フィルムカメラを探す方が難しくなりました。
デジタル・テクノロジーに逆行する昔ながらのモノクロフィルムを使った写真というのも夏休みの自由研究には面白いとおもいます。
全国学芸サイエンスコンクールには写真作品の募集要項があります、小中高で写真作品をつくることは一般的ではないのではと思っていましたが印画紙にプリントした作品でもよいようです。
昨年の中高生の金賞作品はいずれもモノクロ写真(フィルムかどうかは分かりません)
図1:写真部門
募集要項を簡単にまとめると:
- テーマ:環境
- サイズ:六つ切り、四つ切り以内、デジタルはA4光沢
- その他:カラー/モノクロいずれでも良い、加工/修正は不可
受賞作品をみてみると、中高生はモノクロ写真を使っていますね。 ということは手現像、手焼きで作品制作していると思います。 小学生が引き伸ばし機を使ってて焼き込みするような作品づくりは難しいでしょうが・・・、手順さえ覚えてしまえば誰でもできると思います。
作品作りの最初のステップはフィルム現像から
夏休みの自由研究のテーマとしてはちょっとレトロすぎるような気もしますが、白黒フィルムを使った写真の作り方を知らないのが近頃の子供達ですので理科の実験のようで面白いと思うようです。
※白黒フィルムを使ったモノクロームの写真ですと、手順や薬品の取り扱い上自宅でも作品制作が出来ます。
作品作りのステップは、撮影→フィルム現像→プリントとなります。 そのフィルム現像に必要となる現像タンクです。
図2:PATERSON 現像タンク
フィルムの巻き込みは、ダークバックと呼ばれる黒い袋の中に入れて手探りでフィルムを取り出して巻き付けます。 もしくは、真っ暗な部屋の中で巻き付け作業します。
現像タンクにはいくつかのバリエーションがありますが、今回紹介しているのはパターソン社(PATERSON)の製品です。 小型アルミタンクは小さくコンパクトですが、巻き込む練習が必要でフィルムの巻き付けに失敗するとフィルム現像がムラになり失敗してしまいます。
作品制作には安定したネガを作る事が最初の一歩ですよね。
パターソン社のタンクは小型アルミタンクと比べるとかなり大きいのですがリールに細工があります。 「手でちまちま巻かなくても良い」のです。
どいうことかと言うと、フィルムを差し込んでガチャガチャひねればフィルムがどんどん送り込まれていく細工がしてあります。 これでフィルム巻き込みに失敗することがかなり減ります。
図3:リール
このリールのもう一つの良い点は、35mmフィルムと120/220フィルムに対応できるところです。 中央の軸が可変になっており幅を変える事で120/220フィルムの現像にも対応ができます。 ローライやハッセル等の6x6サイズのスクエアフォーマットの作品やLubitel 166+(サイズは6x6,6x7,6x45)等で作品を作りたい場合には都合が良いでしょう。
図4:リールのポッチと可変軸
例として、120のフィルムを巻くとこのようになります。(実際にはダークバックの中で巻きます)
図5:120フィルムを巻いたリール
フィルムの巻き付けが終われば、撹拌用に軸を差し込んで、
図6:軸を取り付けたところ
タンクの中へ入れてロート形状の上蓋を取り付けるとフィルム現像準備完了です。
図7:タンクにリールをいれたところ
現像手順を覚えるには、iPhoneアプリをつかって
現像手順は、「現像、停止、定着、水洗促進、水洗、乾燥」のステップを決まった時間で進める必要があります。 手順を体で覚えるには少し練習が必要ですが最近は便利なスマホアプリがありますのでそれを利用すると良いでしょう。
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現像手順を連続タイマーで教えてくれます:
前浴、現像、停止、定着、予備水洗、水洗促進、本水洗のステップと液の入れ替え時間も設定可能です。
撮影に使用するフィルムと薬剤の組み合わせによって標準処理時間がいくつかありますが、データを事前に登録しておくと便利です。
プリントは
ネガが出来上がると、印画紙にプリントして作品にしますが引き伸ばし機は作っているところもほとんど無くなりました。
レンタルラボが近所にあればそこでプリントすると良いです。 首都圏なら少し探せば比較的見つかりやすいのではないでしょうか。
コンタクトプリントを作り、ストレートプリントを作り、焼き込みをして作品を完成させるというステップは面白いですよ。
気に入った作品が出来たら
学芸コンクールはテーマが「環境」ということですので、あまりに外れていると応募しにくいと思いますが、テーマが抽象的なのでいろいろな作品を応募しやすいのではないでしょうか。
何か目標があった方が、モチベーションもあがるでしょうからコンクールへ応募してみるのも面白いと思いますよ。